地域と私の関わりに思いを馳せると、子供が保育園に通い出したころ、そこには「親」の先輩がいました。子供たちのためにバザーや BBQ を企画していました。何も分からない新米「親」の私は先輩の言うなりにお手伝いをし、いつの間にかどっぷりと浸っていったというわけです。こともなげに火をおこして薪を燃やし、大量の焼きそばを大汗かきながら見事に仕上げていく先輩たち。それを見よう見まねで覚えていった日々がありました。実は、この時の先輩「親」たちが例のバンドを作ったのです。子供の学年が違いますから、子供の成長とともに会う機会も減っていたのですが、ある日突然、また、一緒に活動するチャンスに恵まれたということです。これこそ、地域の力です。ワクワクフィールドにはスポーツと同時に音楽が生まれました。
 さらに、我が家の子供たちが三中に通っていた時、60 周年記念行事がありました。保護者も出し物としてコーラスをやることになり、音楽好きの私は喜んで参加させていただきました。そのメンバーの中には、またまた先輩「親」がいたのです。それも、サッカーを通じて知り合った、他のクラブの指導者の方が熱心にコーラスに取り組んでおられるではありませんか。50 周年記念行事をきっかけに立ち上げた混声合唱団で立派な活動を続けていて、ひょっこり参加していた私をみつけ「一緒にやろう!」と声をかけていただきました。これが、コール・コスモです。またまた、ワクワク体験が増えました。今では、コール・コスモはゆとりえ、そ~らの家といった高齢者が集まる施設での演奏機会もしばしばあります。また、そ~らの家で活動中の合唱団コーアそ~らの定期演奏会に呼よんでいただき、いっしょに歌わせていただいています。もちろん、出演後には交流会にも参加し、今では街中でばったり遭遇し世間話をする間柄です。

 このように、地域でのワクワク活動を幅広い年代で展開していると、ネットワークが広がり、そこに生きる大勢の人々が生き生きと元気になります。生活者が生き生きとなるためには、地域がこの活動を受け入れ、大切に支援できる素地が必要です。今まで築き上げて来たこの地域力をさらに発展させることが重要だと考えます。
 

「音楽と出会って……」
「経験を活かす」