令和3年第4回定例会 :本会議 一般質問(録画中継と議事録抜粋)

  • 令和3年第4回定例会
    11月24日
    本会議 代表質問
  • 施政方針について
  • 録画中継 | 武蔵野市議会インターネット議会中継 (jfit.co.jp)
  • 議事録

    ◯6 番(宮代一利君)  ワクワクはたらくを代表し、代表質問をいたします。
    令和3年も、残すところ1か月余りとなっています。今はコロナの国内感染者数も抑え込まれている時期が続いていますが、冬に向けて、第6波の懸念も指摘されています。この1年もコロナ禍に生活を制限されてきました。地域においても様々なイベントの中止が相次ぎ、学校との関わりでは、入学式、卒業式、運動会への参加をすることもできず、学校公開にも伺うことがかないませんでした。そんな中ですが、今週末、11月27日土曜日に、第三中学校の70周年記念行事が予定されており、私も参加することができそうです。本当に久しぶりに学校を訪ねることができ、生徒たちの様子を見ることを心から楽しみにしています。
    さて、コロナ禍で我々は改めて人間の弱さを思い知らされたと感じています。肉体的、物理的な弱さ。小さなウイルスが体内に入ってくると、大変重大な病気を発病し、それを自力で予防することも退治することもできていない。そして、病気に対する不安や生活への不安など、通常の日常生活に支障を来してしまう。周囲の人との考え方、行動の違いに対する攻撃が始まり、社会が分断されてしまいました。平和な時期に潜在していた社会の課題も露見してきて、今は対症療法的にこれに対策を施してきていますが、今後は新しい価値観で社会を整えていくことが肝要と考えます。
    それでは、まず、課題や基本政策の全てに関わる合意形成に関する質疑から始めさせていただきます。
    令和2年は、自治基本条例と議会基本条例が同時に制定された、武蔵野市にとって歴史的・画期的な瞬間であったと感じています。自治基本条例制定に向けて、数々の検討会を経て、多くの市民が参加してきました。また、学校改築の検討においては、通常の手続を進めていく中で、議会においても全員協議会を開催することでさらなる深い議論をすることができました。また、この件に関わる住民説明会においては、コロナの影響もありましたが、動画配信による市民意見募集もしていただき、動画視聴数は560名を超える実績となり、意見も約80件が寄せられました。すばらしい成果であり、その手法は今後に生きる実績だと感じます。今回の所信表明においても、「市政運営における基本姿勢は、対話です。就任以来取り組んでいる「市民と市長のふれあいトーク」は、これまで15回開催」したとしております。この開催回数、その内容について、市長はどう感じていますか。伺います。
    一方、宿泊療養施設の開設に当たり、同じ建物の中に保育園があり、問題が投げかけられた案件であり、十分な説明がなされたと市長はお考えでしょうか。吉祥寺東部地区の公共自転車駐車場の再配置に伴う市有地の売却について、大変注目度が高く、説明会を開催していただき、多数の市民が集まったのに、議論を中断してしまい、結局、翌日には売却を決行してしまった。
    さらに、今、大きな議論を巻き起こしている住民投票条例について、十分な議論を尽くしたとお考えなのでしょうか。最近起こった様々な事件、議論に関する合意形成について、市長のお考えを伺います。
    市長への手紙、意見書、要望書が多数送られてきているとの実績が報告されています。市長のお考えとは相入れない内容のものも存在していると思いますが、市長は、異なる意見に対し、どんなアクションを取ってきたのか、伺います。
    超多忙な市長が全ての事案に直接関わることができないのは仕方のないことです。職員の皆様が様々工夫をしながら検討を進めていただいていると感謝しております。しかし、市民意見交換会、懇談会、意見募集、パブリックコメントといった現在活用している手法は、必ずしも機能しているとは言えない側面もかいま見えます。このことについて市長はどう感じ、どうお考えでしょうか。伺います。
    それでは、続きまして、基本政策に関する質疑に移らせていただきます。
    まず、子どもの権利について伺います。
    現在、子どもの権利条例の制定に向けて、準備、検討が進んでいます。施政方針において、権利を侵害された後のことに目を向けていますが、権利侵害は起こしてはいけないことであり、予防が大切と考えます。課題のところでも、最後のとりでとしての公共の役割を果たしていきたいとの意欲を見せていただいていますが、その機能が発揮されるためには、困っている市民がアクセスできる、アクセスしようと思うことが必要であり、ただ制度をつくっただけでは十分とは言えません。公共の目の届かないところで苦しんでいる市民にいかに手を差し伸べるか、そのことについて、市長のお考えを伺います。
    さらに、所信表明において、子どもは未来の大人と位置づけており、学校・家庭・地域の協働体制に関する庁内検討会議報告書にも、未来を担う子どもたちのためにという理念を前提とすると記されています。この流れは、将来の武蔵野市のために貢献してほしいから教育を施すというストーリーになっています。もちろん、子どもが成長した結果、大人になったら社会を担う存在になり、社会に貢献したいと考えるとは思います。しかし、子どもは今を生きています。まず、今が幸せであることが最優先ではないでしょうか。一人の人間として尊重され、人としての権利、すなわち、人権を守るべきと考えます。子どもの今を大切にする考え方は、子どもの権利条例においてどのように尊重されていくのか、その考え方について伺います。
    次に、教育について触れます。
    先ほどの学校・家庭・地域の協働体制に関する庁内検討会議報告書には、育てたい子ども像という概念が出てきています。市長は、この育てたい子ども像を、どのような子どもの姿を思い描いていますか。
    また、教育基本法についてのお考えも併せて伺います。特に、第1条、教育の目的に記されていることについてのお考えを伺います。念のために第1条を読みます。「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」となっています。人格は完成するものなのでしょうか。子どもより大人のほうが完成に近い人格でしょうか。これらの議論は、大人が子どもを支配しているという考え方だと思います。先ほど子どもの権利についても触れましたが、一人の人間としての存在においては子どもと大人は対等であると思うのですが、市長はいかがお考えですか。伺います。
    こういった子どもの存在に関する考え方が教育観を形づくっていくと思います。武蔵野市の教育はどこに向かおうとしていますか。武蔵野市の教育の特徴と今後の考え方について、市長のお考えを伺います。
    この先、学習者用コンピューターの話が出てくるのですが、私は今日の代表質問の6人目で、この話題を出すのは6人のうち3人目です。私も、今までお二人指摘していただいたことについて、非常に違和感を感じています。ということで、繰り返しになりますが、触れます。学習者用コンピューターの配付が実現し、試行錯誤しながらチャレンジが始まっていると聞いています。このチャレンジは、生徒より、むしろ先生のほうがチャレンジをしているのかもしれません。所信表明において、子どもたちのICTを適切かつ効果的に活用する力を育む教育を推進しますとのことですが、このコンピューターは、ICTリテラシーを上げるために配られたものなのでしょうか。導入についての議論の中で、市長は、このコンピューターは文具だと断言しておられました。ICTを学ぶことが目的ではなく、手段として活用することから進めていくのがよいと考えますが、市長のお考えを伺います。チャレンジし続けている先生たちにとっても、ICTリテラシーを教育することは大変負担になると思います。文具として、まず、例えば連絡帳を手書きから電子化して、便利でよいなという感じに活用していくのがよいと思います。このコンピューターが導入されたことによって、先生たちの負荷が上がるような、そういった進め方をするべきではないと思います。
    次に、脱原発、脱炭素、緑あふれるまちに進みます。
    人類は、地球という星に、他の多くの生き物と共に生息しています。この奇跡の星の存在を壊してしまわないように、注意深く行動しなければなりません。限られた資源を大切に使い、できるだけ廃棄物、排出物を出さない。かつては、物づくりのための物質、インフラを整えるための鉄、アルミなど金属資源、ビルを造るセメント製造の原料である石灰石、半導体の原料であるシリコンなど、鉱物資源の枯渇を心配し、節約が注目されていましたが、近年は地球温暖化に注目が集まり、エネルギー資源の節約と再生可能エネルギーの活用を目指して、様々な技術開発が行われています。原子力発電も人類が開発した貴重なエネルギー資源であり、これまで人類は多大な恩恵にあずかってきました。現代はこうした歴史の流れの中の一つのポイントであり、未来につながっていると考えます。
    いきなり表題の「脱原発」の文字が飛び出し、再生可能エネルギーを増やし、原発に頼らない社会を目指しますと断言されていますが、他のエネルギー資源とのバランスを保ち、将来の姿を描きながらエネルギー施策を考えていただきたいと考えます。エネルギー問題は国によって条件が異なり、産業とも深く結びついているため、国家間の戦略的な駆け引きの材料にもなっています。国が決定することも多い分野だと考えます。そんな中で、武蔵野市では何ができるのか。何をする必要があるのか。それを考えていくことが肝要だと思います。これまでも、一般質問を通して、ゼロカーボンシティの実現性とその具体的な方法について議論してきました。なかなか市単独では解決の道が見いだせないかもしれません。むさしのエコreゾートを大いに活用し、広く市民参加で取り組んでいただきたいと考えます。その中で、今回、気候市民会議が取り上げられ、気候危機打開武蔵野市民活動プラン(仮称)を作成するとのことですが、これはどんなプランなのか、伺います。
    これまで検討を重ねてきた武蔵野市環境基本計画や武蔵野市地球温暖化対策実行計画との関係性について御説明をお願いいたします。
    次に、健全財政を市民のために活かすまちについて、伺います。
    財政運営は中長期的には厳しくなると予想されていますと分析をされており、多くの市民がこのことを懸念しています。特に若い世代は、自分たち、さらにその子どもたちの世代は苦しいという前提で考えなければならず、現在の施策が将来を見据えているとはなかなか感じることができていません。これから苦しくなる財政運営に対し、中長期的な方針、施策をどう考えているか、伺います。市長の視線の先は何年先を見ていますか。市長の視野は市民のどこまでの広さを見ていますか。
    少し具体的になりますが、土地の再編、購入など、議会を通らない事務手続になっている事案について、疑問視される場面があります。今の事務手続のルールについて、市長のお考えを伺います。契約においても、様々な理由により随意契約がなされていますが、これまで行ってきた契約は全て合理的とお考えでしょうか。今の手続のルールには適合していても、市民が投げかけている疑問について検討し、今後、事務手続のルールを見直すお考えがあるか、伺います。
    令和2年度施政方針並びに基本的施策の21ページに、「行政評価制度などの個別課題について検討を行います」と記載されていて、今回の施政方針においても、「効果的な行政評価の仕組みを検討します」と書いてあります。全く進んでいないと理解してもよろしいでしょうか。進捗状況について伺います。
    最後に、市長が施政方針で取り上げている共生社会とは、どのような社会を指しているのでしょうか。共生社会における公共の役割をどうお考えか、伺います。
    以上、壇上での質問とさせていただきます。

    49◯市 長(松下玲子君)  宮代一利議員の代表質問に順にお答えをしてまいります。
    まず最初の合意形成に関する質問についてお答えをしてまいります。1問目についてです。市民と市長のふれあいトークの開催は、年間4回を目安に行ってまいりました。テーマを定め、少人数で行う方法は8回、コミュニティ協議会の皆様との共催で行う方法は7回開催をしてきました。全15回のうちの7回は、新型コロナウイルスの感染拡大の中で開催もしてきました。この状況下の中でも、参加人数の制限はあったものの、1度も中止をせずに、市民の皆様のコロナ禍での生のお声をお聞かせいただき、共催で開催をしてきたコミュニティ協議会の皆様や地域の皆様、また、テーマ型に参加をしていただいた各種団体等の皆様に、この場を借りて改めて感謝を申し上げたいと思います。内容につきましては、施政方針でも述べましたように、率直に対話を行いながら、違いも含めて理解し合うことができたのではないかと思っております。課題の解決方法や意見交換など、参加された方が課題について当事者意識を持って、共によりよいまちづくりについて話し合えるような場ができたと感じているところでございます。
    合意形成の2点目についてです。宿泊療養施設の開設に当たっては、東京都が保育施設の保護者を対象に複数回説明会等を開催し、保育施設利用者と宿泊療養施設入所者の動線の分離やその他の対策について説明を行っております。保護者から、対策が万全ではないなどの意見もあったと聞いており、説明が十分に行われたかについては疑問の余地もあるところでございます。
    続いて、3点目の質問についてです。住民投票条例につきましては、令和3年2月に公表した条例骨子案、8月に公表した条例素案について、市報やホームページ、SNSによる情報発信をした上で、様々な御意見をいただいたものと認識をしております。また、骨子案をより多くの市民の方に知っていただきたい、そして、より多くの意見を反映させて条例素案を作成するため、無作為抽出アンケートやコミュニティセンターでの制度周知や意見交換を行うなど、できる限りの情報発信と制度周知に努めてまいりました。政策を進めていくに当たり、合意形成というのは重要であり、そのためにも、できる限りの情報発信をして、より多くの市民の皆様に知っていただくことが重要と考えております。その上で、賛成や反対、様々な意見を踏まえ、総合的に判断して政策を進めていくものと認識をしております。御質問の中で、住民投票条例について十分な議論を尽くしたとお考えなのでしょうかとありましたが、まさに今後議会で十分な議論を尽くし、審議を尽くしていくものと考えておりますので、まだまだ議論が足りないのではないかという御意見があるということは真摯に受け止めて、市の情報提供に関する今後の課題としては検討したいと思っておりますが、しっかりと議会の場で議論を十分に行うことが重要であると考えております。
    続いて、4点目の質問についてです。市政の課題には、賛否の分かれる事案もあります。意見や立場が異なるということも当然ございます。市の考えを丁寧に説明するとともに、異なる意見にも耳を傾け、個々の意見、立場を尊重しつつ、取り入れられるものは取り入れるなど議論を重ねて、合意形成を図ってまいりました。引き続き、できるだけ多くの方に賛成をしていただきたい、その思いで合意形成を図る努力をしてまいりたいと思います。
    続いて、5点目についての御質問です。施政方針でもお話をしましたとおり、私の考える市政運営における基本姿勢は、対話です。また、令和2年度に施行した自治基本条例では、市長の責務として、市民の意見を把握し、市政に適切に反映させるよう努めるものとすると明文化をしております。意見交換会やパブリックコメントでは、様々な貴重な御意見をいただいております。多様な意見に真摯に向き合い、対話と議論を重ねて、できるだけ多くの方に賛成していただけるよう合意形成を図る努力をしてきたと考えております。今後も、より多くの皆様が参加し、対話や意見交換が行いやすいような工夫も重ねながら実施をしてまいりたいと考えております。
    続いて、大きな2点目の人権、子どもの権利についての御質問についてです。宮代議員がおっしゃるとおり、制度は、つくっただけでは十分とは考えておりません。子どもの権利に関する条例検討委員会の議論におきましても、子どもの権利擁護機関についてだけでなく、子どもからの相談や子どもの居場所など、声を届けられない子どもの声をどのように聞いていくかということが議論されております。子どもの権利条例の制定検討に際し、子どもとともに大人も子どもの権利について理解してもらえるよう周知啓発を図るとともに、子どもからの声を聞く様々な仕組みを整備し、公共の目の届かないところで子どもが苦しむことがないよう、社会全体で権利侵害の予防に努めてまいりたいと考えております。
    続いて、人権、子どもの権利に関する次の御質問についてです。今を生きる子どもの最善の利益を第一に考えることが大前提であるということは言うまでもありません。子どもの権利条例の検討においても、当然、子どもの権利条約に定められた子どもの権利の理念に基づき、一人一人の子どもがかけがえのない存在として認められ、各人の個性が尊重された成長発達過程がひとしく保障されるべきと考えております。
    続いて、武蔵野市の教育についての御質問についてです。御指摘の、育てたい子ども像は、教育委員会が設置した学校・家庭・地域の協働体制に関する庁内検討会議の報告書に記載されたものと承知をしております。現在、教育委員会で検討が進められている途中のため、具体的に述べることは差し控えたいと思いますが、報告書の趣旨は、あらかじめ理想的な子ども像を設定し、一人一人の子どもたちを当てはめていくものではないと理解をしております。子どもたち一人一人の個性が尊重された成長、発達ができるよう、学校・家庭・地域において思いを共有しながら協働することが大切と考えます。教育基本法は、教育を受ける権利を保障した日本国憲法の下、義務教育だけでなく、社会教育も含め、教育の在り方全般を規定したものであります。特に、第1条に規定された教育の目的にある人格の完成は、上位法たる憲法に「すべて国民は、個人として尊重される」とあることと合わせれば、人格の完成度で大人と子どもを分ける趣旨ではなく、御指摘のような一人一人の人間としての存在においては対等であると考えております。
    武蔵野市の教育の特徴や未来については、教育委員会において、本市の長期計画や子どもプランを踏まえながら、第三期武蔵野市学校教育計画で本市の教育の方向性を定め、施策を展開しております。特に、第六期長期計画や第五次子どもプランにもあるとおり、子どもたちが様々な環境と関わり、経験を積み重ねることで、身近な社会生活、生命及び自然に対する興味が養われ、未就学期から学齢期にかけて、生きる力を身につけることが大切であると考えます。総合教育会議など、様々な機会を通して教育委員会と方向性を確認しながら、よりよい教育環境の整備に取り組んでまいりたいと考えます。
    続きまして、ICTリテラシーの関係のところについての御質問です。学習者用コンピューターは、子どもたちのICTリテラシーを上げる目的のために配られたものではないと考えております。ICTを学ぶことが目的ではなく手段として活用することは宮代議員が御指摘のとおりと考えますが、市教育委員会が学習者用コンピューターを導入するに当たって、令和2年8月に示した「武蔵野市学習者用コンピュータ活用に関する基本的な考え方」にあるとおり、子どもたちが自律的・創造的に学習者用コンピューターを利活用するためのデジタル・シチズンシップ教育を推進していくものと考えております。
    続いて、基本政策に関しての、脱原発、脱炭素、緑あふれるまちについての1つ目の御質問についてです。ゼロカーボンシティの実現には、社会全体の構造の変化によるところが大きく、国や都の制度の見直しが最も重要ではありますが、市の取組としては、市の二酸化炭素排出量のうち、家庭部門と業務部門が約8割を占める状況を踏まえますと、市民、事業者の実際の行動変容につながる啓発や支援の取組が鍵であると考えております。行動変容につなげる取組の一つとして、気候市民会議を開催し、気候危機打開武蔵野市民活動プラン(仮称)を作成したいと考えております。また、市民、事業者がより対策に取り組みやすいよう、メリットや効果を感じられる費用支援や協働の仕組みのほか、費用対効果の視点も踏まえた制度の見直しについて検討を行っており、具体的な取組については令和4年度予算や今後作成予定の気候危機打開武蔵野市民活動プラン(仮称)の中でお示しをしたいと考えております。
    続いて、2点目についてです。福島第一原発の事故からも分かるように、一たび原発事故が起きたときの被害の甚大さと社会生活の大きさを鑑みると、原発に頼らない社会を実現しなければならないと考えております。エネルギーに関する政策は国の所管であるため、市としては、できることを行い、市民に向けて省エネルギー化の啓発や再生可能エネルギーの普及など、環境に関する取組を通したエネルギー施策を引き続き推進してまいります。
    3点目についてです。気候変動の現状を認識し、地球温暖化への取組を自分のこととして捉え、ゼロカーボンシティの実現に向けて、どのように取組を進めていくべきかについて、これまで関心が薄かった方も考えるきっかけとなるように、できるだけ多くの市民の方に御参加いただき、広く議論するための場として、気候市民会議を開催したいと考えております。会議で話し合った内容を踏まえて、地球温暖化対策に関する市民の日々の行動の指針となるようなものとして、先ほどの気候危機打開武蔵野市民活動プラン(仮称)を作成したいと考えているところでございます。
    続きまして、健全財政を市民のために活かすまちの部分についての御質問でございます。本市の財政状況につきましては、今度の決算特別委員会にて説明申し上げる法定の財政健全化判断比率や年次財務報告書のほか、財政力指数や経常収支比率などの財政指標や市債残高、基金残高の状況等から見ても、現時点では非常に健全な状態であると考えております。しかしながら、施政方針の重要課題にも挙げました公共施設等の維持保全整備や更新について、今後、多額な経費を要する見込みであるため、決して楽観視はできないと考えております。公共施設等の維持保全整備や更新を着実に進めながら、将来にわたって充実した市民サービスを継続していくため、財政規律の維持、行財政改革等による経常経費の節減などに努めることにより、持続可能な財政運営を行っていく必要があると考えております。
    続きまして、同じく、健全財政を市民のために活かすまちの中で、これまでのルールを今後も続けていくのか、先を見据えて、今からできることをやるべきではないかとの御質問についてです。現状では豊かな財政力を有する本市であると考えておりますが、多額の投資的経費が必要となるこれからの時代に、これまでと同じように扶助費や物件費などが推移をしていくと、将来的に財源が不足し、基金が枯渇するような厳しい財政状況に陥ってしまう可能性もあるという危機意識を持っているところでございます。そのような状態に決して陥ることなく、今後も豊かな財政力を維持したまま、将来にわたって充実した市民サービスを続けていくためにも、毎年度の予算編成においては常に財政規律を持って臨むとともに、経常経費の節減や事務事業の見直しなど、不断の行財政改革を行っていく必要があると考えております。
    続いて、契約に関しての御質問でございます。契約事務は、法令に基づき実施をするものと考えております。毎年管財課の実施する契約事務研修では、地方自治体が契約する方法は、地方自治法により、原則、入札することとされていること、随意契約はあくまで例外的方法であることを伝えております。随意契約においては、地方自治法施行令第167条の2第1項各号のいずれかを根拠にする必要があります。以上を踏まえた上で、予算主管課が特命随意契約を選択する場合には、法令根拠に基づく指定理由を確定の上で管財課に依頼するといった形を取っているところでございます。
    そして、効果的な行政評価の仕組みについて、これまでどうだったのかということでございますが、今年度、行政評価について、新たな事務事業の見直しを行うとともに、効果的な行政評価の仕組みについて現在検討を行っております。検討した内容については今年度中に議会にも報告をしたいと考えているところでございます。
    そして、共生社会についての御質問です。第六期長期計画にも記載をしていますが、全ての市民が、その年齢、状態、国籍にかかわらず、住み慣れた地域で、本人の意思に基づいて安心して生活が続けられるよう、一人一人の多様性が尊重される社会でありたい、そのように共生社会について考えているところです。
    以上です。

    50◯6 番(宮代一利君)  ありがとうございます。
    では、最初に戻ります。まず、合意形成ですけれども、先ほど市長が住民投票条例について市民の皆さんにこんなにも知られていないのだなという感想を述べられていたのですけれども、それで、今の御答弁だと、今後議会でしっかりと議論をしてもらいますというふうにおっしゃっていますが、議会に持ってくる前にもっと市民の中できちんとその考えを浸透させて、知ってもらって、その上で次のステップに進むべきなのではないかということを、今、強く感じているわけです。いつブレーキを踏めたのかなというのが、これに限らず、今までいろいろなところで後から問題が浮上してきて、前に言ったではないかというような話がやり取りされていることが割と多いなという印象を私は持っていて、ブレーキの踏める、場合によってはブレーキを踏まなければいけないということがあるのだということをこれから今まで以上にうまくやっていけないかなというふうな思いで、この質問をしているわけです。今回すごく象徴的に、後から出てきて大騒ぎになっているというふうに取扱いをされていますけれども、そうではないやり方はないのかなということ。何かそのことについて、お考えを聞かせていただきたいと思います。
    それから、子どもの権利のところと教育のところで共通していて、私が指摘をさせていただいた、「子どもは未来の大人」であったり、「未来を担う子どもたちのために」であったり、「育てたい子ども像」、あるいは「人格の完成」といった、こういう言葉が会議報告書とかに出てくると、先ほど市長の説明は、例えば、育てたい子ども像というのは、理想的なものを見せて、それに当てはめるということではないのですというふうに御説明をいただいたのだけど、受け止める側は、それぞれがそういうふうに感じて、それを情報共有していくものなのだというふうに感じる。少なくとも私はそう感じた。それから、子どもは未来の大人と言えば、要するに、未来に向けた大人を育てるために今があるのだというふうに読めてしまう。そういう表現は、市民に対してこういったことを伝えていくのによい表現なのかということ。今、質問させていただいて、お答えをいただいて、やっと少し近づいた気がするのですけれども、今後も、こういった概念の問題だったり、言葉に表れていることがどういうものなのかということをより深く相互に検討する必要があるというふうに考えていますが、そのことについて、いかがお考えでしょうか。
    それから、環境の話ですけれども、私が質問した中でお答えいただけていなかったのが、武蔵野市環境基本計画、あるいは武蔵野市地球温暖化対策実行計画とのつながりはどうなっているのですかと。要するに、また、気候市民会議という新しいものが飛び出してきたわけです。さらに、気候危機打開武蔵野市民活動プラン(仮称)と出てきて、例えば、今エコreゾートでやっている活動とか、そもそも環境基本計画をベースに考えていることと、何で新しいものが出てきたのですかと。今までやってきたことをどういうふうに評価されていて、なぜ今これが出てきたのですかということが疑問です。今やっていることが何か不十分なのかなというふうに感じてしまったので、まず違いを明確にしていただきたい。この流れの中でこれがどういうふうに位置づけられているのですかということをもう一度ちょっと御説明をいただきたいと思います。
    それから、健全財政の話で、先ほど申し上げた中に、最後のところで、令和2年度の施政方針並びに基本的施策の21ページに「行政評価制度などの個別課題について」というふうに書かれていて、令和3年もまた同じことをおっしゃっていますよと。要するに、令和2年から令和3年にかけて2度同じことを言っているということは、何も進んでいないというふうに受け止められますが、何か進んでいますかというふうに。進んでいるなら進んでいる、ここまでしか来ていませんということを教えていただきたいので、御返答をお願いしたいと思います。
    取りあえずここまでにします。

    51◯市 長(松下玲子君)  大きく4点の再質問にお答えをしたいと思います。
    まず、住民投票条例について、この間の住民投票制度の確立に向けた検討と市民への周知で、条例提案までにもっとほかに市民の皆様に関わってもらうようなやり方はなかったのかとの視点からの御質問だと思いますが、先ほども他の議員にもお答えしましたように、今回の自治基本条例第19条に基づく住民投票条例というのは、この間、住民投票制度の確立に向けた検討という形で、度々、様々な手法を駆使して行ってきました。今回、条例提案を行うということを、記者会見等、また、19日からだからちょうど1週間前、12日に新聞で大きく報道されたことによって、かなり関心が高まったという認識を持っていますので、仮に条例提案を先に延ばして、これまでと同じように市報に載せたり、市としては市民の皆様に知っていただきたいと思っていろいろと手を尽くし、行政として、この制度の確立に向けた市民周知を仮に延ばしたところで、今までとそう変わりはなかったのではないかなと。新聞というマスコミに取り上げられたこと、また、取り上げられ方によって広く市内外の人からの関心が高まったのではないかなという思いを持っています。そういう意味では、住民投票制度ということ自体、上がってきた声と、上がってはきていない声もあるので、賛成という方も、また、知っているよという方もいますので、それは出てきた声だけをもって、今までみんなが全く知らなかったのではないかということではないと思っています。今回、条例案として提案をしたこと、そして、それまでは市報、また、市の広報媒体のみで行っていたものが、公共的なというか、新聞等で取り上げられたことによる関心度の高まりというのも、これは一定あるのかなというふうに思っています。そういう意味では、参加と協働、市民の皆様に関心を持っていただいて、参加して協働して自治をさらに前に進めていくという視点では、今まさにこれから市民代表の皆様が議会の場で、委員会等の場で御議論いただくということで、さらに御関心も持っていただけるのではないかなと思っておりますので、今回の方法以外にもっといいやり方はないのかという御質問に関しては、仮に延ばしたとしてもそんなに変わらなかったのではないかなという思いはしています。ただ、これは終わりではないので、自治基本条例も、制定後、施行後に御評価をいただいたような、市民に自治基本条例について知っていただきたいという思いで職員が映像を撮影したり、また、分かりやすいパンフレットを作って配布をしたり、市政センターに置いたりとか様々な形を用いていろいろなことをしていますので、制度というのは、それこそできただけではなく、できた後にいかに市民の皆様に理解をしていただいて御活用いただけるのかというところが、今後も引き続き継続をして取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
    そして、2点目の子どもについてでございますが、私自身、子どもや子育て支援について、全ての市民の皆様に御理解をいただきたい、その思いで様々取り組んでいます。というのは、子どもや子育て支援といいますと、育てていない方、お子さんがいらっしゃらない方にとっては、私には関係ないというようなお声もいただくのです。それはそうではなく、全ての皆様にとって、次世代を育成していくという視点で捉えてほしい。あなたの産んだ子どもではなかったとしても、子どもは社会全体で温かく見守って育てていってほしいという意味で、私自身、未来の大人という言い方をして使うこともございますし、未来の大人という点では、そもそも、アリエスという思想家を御存じでしょうか。かつて西欧社会では、子どもという概念がない中で、子どものことを、小さな大人というふうに呼んでいました。これはいろいろな意味で、児童労働の問題とか、そうした点からの子どもという概念ができて、子どもを大切にする、守るという視点に変わってきたという、また今回のこととは異なりますけれども、小さな大人、先ほどの宮代議員の、子どもも大人も同じく人権が守られて等しい存在だというのに通じるところがあるのではないかなとも思っております。いずれにしましても、様々議論を重ねる中で理解を深めていきたいと思っておりますし、子どもの権利条例を制定する過程、検討委員会の中でもしっかりと御議論をいただきたいと思っております。
    続きまして、気候市民会議と環境市民会議の関係性についてでございますが、今後の関係性については、気候市民会議の検討課題の中で整理を行ってまいりますが、環境市民会議は、武蔵野市環境基本条例に基づき、環境政策全般を取り扱う常設の会議体です。環境基本計画や環境の保全に関する基本的事項等について調査、審議を行うという目的があります。そして、環境市民会議の委員は、学識者、NPO、事業者、市民など、様々な立場から議論ができるような構成となっております。気候市民会議は、環境市民会議が存在することを踏まえて、地球温暖化に特化した市民による会議として、その目的は地球温暖化対策に関する市民の日々の行動の指針となるものを作成することにあると現時点で考えていますので、地球温暖化防止への取組を考えるきっかけに、多くの市民の皆様に御参加をいただき、議論をしていきたいと考えております。
    効果的な行政評価の仕組みについてでございますが、SDGsとの関係をどう整理するかなど、この間、庁内で議論し、検討を重ねてまいりました。効果的な行政評価の仕組みについて、まとまった時点で検討した内容について議会に御報告をしたいと思いますので、現時点では、この間、検討を続けてきているということでお答えをいたします。

    52◯6 番(宮代一利君)  ありがとうございます。そもそも、先ほど最初の住民投票条例のところで、市長が、マスコミに取り上げられて注目度が上がりましたというふうな御説明をされているのだけど、私は今回、このことだけではなくていろいろなことを全部並べていて、合意形成は市政を進めていく上で大切ですよねと。その根底には、市民の皆さんはふだんから市政に本当に興味を持っていますかと。マスコミに取り上げられて初めて興味を持っていますよねというふうに言ってはいけないのではないですか。もっと興味を持ってもらえるように、ふだんから、まだまだ工夫が必要なのではないですか、もっともっとやっていく必要があるのではないですかということを申し上げているのです。市民意見交換会、懇談会、意見募集、パブリックコメントといった、今のこの手法が、例えば、午前中も話がありましたけど、意見交換会は初回3人でという、すごく人数が少ない。今回に限らず、ほかの懇談会とかでもすごく出席が少ないケースとかがあります。そういうのはそれでいいのですか。そんなので、やりましたと言って、それで終わりでいいのですか。そういうのを、どうしたら今後もっと出席者を多くして、より活発な意見交換をすることができるようになるのですかということをお尋ねしているのですが、そのことについて、今後どういうふうに考えていくのかということについて伺いたいと思います。
    それから、先ほどの子どものところで、分かりました。やっと、ああ、そういうことだったのかというのは、わざわざ子どもは未来の大人と言うことによって、今、お子さんをお持ちでない方たちに理解を求めるためにこういうふうにやっていますという。そういうテクニックを使っていたのだということが分かりました。しかし、これは子どもを持っている御家族並びに子どもに直接出ていくメッセージではないです。あなたを一番大切に思っていますということがこの表現の中では表現できていないです。そうではない、持っていない方たちに伝えるためにこういうふうに言っているのですと。これが、例えば施政方針の中で前面に出てくると、子どもたちに本当にいいメッセージが届いていくのかなということに疑問を感じているのです。こうでなくて、まず、中心にいるのは子どもたちなのだということで子どもの権利条例というものを形づくっていきたいと考えているということが表現として出てくる必要があると。もちろん、市長はよくお分かりになっていて、当然のこととして考えていらっしゃるのだけど、その当然の前提が広く市民の皆さんにきちんと伝わっているかということを考えながら、こういう表現に変化を持たせていっていただきたいなというふうに思うということです。
    先ほどの市民の合意形成のところでもそうなのですけど、今のこの表現もそうなのですけど、よく職員の皆さんも、自分たちが御説明するときに、私たちは行政のプロだからというふうにおっしゃっていて、そのとおりだと思うのです。日頃から市民のために一生懸命にいろいろなことを考えていただいていると思うのです。しかし、詳し過ぎるから、どこまで何を考えているのか、市民は分からないのです。それで、出てきたときに物すごくまとまって、はい、これでもうほぼ完成に近いですという形で飛び出してくるから、市民としては、どうしてこんなふうにできてきたのかとか、どういうプロセスを踏んでこういう段階まで完成してきたのかということをもう少し知らせていく必要があるのではないかなというふうに感じていると、そういうことです。ですから、そういう意味で、市民に本当に伝わっているのですか。だから、意見交換会をやった、懇談会をやったという、何々をやりましたということではなくて、きちんと成果として、多くの市民が参加して、自分たちは参加したなという市民がもっとたくさんいたほうがいいのではないかな、今で十分ではないのではないかなというふうに思っているのだけれども、そういう意味で市長はどういうふうにお考えなのですかというふうに伺ったのです。
    それで、ふれあいトークの話は一番最初に触れましたけど、15回でしたか。成果がありましたとおっしゃっているけど、本当にその数で満足されているのかなということ。全てこれは通じていて、成果として、市民は武蔵野市の施政について興味・関心を持ち、そしてそれに参加をし、意見を述べたりすることができているのかということについて、市長、もう一度御見解を伺いたいと思います。
    それから、気候市民会議の話ですけど、ちょっとやはり私としてはよく分からなくて、今日はあまりエコreゾートに触れられないのですけど、今、エコreゾートでもう既にいろいろ活動をしています。エコreゾートも市民参加です。市民の方がいっぱい来ますけど、ここに今度、気候市民会議というのは多くの市民の方に参加していただいてというのですけど、どういう方たちが参加するのですか。今のエコreゾートでやっているような各種のアクションと同じように、来たい人は申し込んで来てくださいという形にするのか。それとも、気候市民会議は何か指名制というか、何か特別に人数が限られた、そういう枠を設けて人を募集していくのか。ちょっとその像が見えなくて。そういう意味で、もし来たい人はぜひ来てくださいとやるのだと、では、今、エコreゾートでやっていることと何が違うのですかというところが疑問です。どんどんいろいろな会議とかが出てきてしまうと、どれに出ていいのか、どれがどういうふうに効果があるのかというのは市民にはよく分からなくなると思うので、ここで明らかにしていただきたいなということです。
    この2つ、お願いします。

    53◯市 長(松下玲子君)  まず1点目の子どもの部分についてでございますが、宮代議員は、この間、過去の御質問の中からも、もっと子ども自身に語りかけるべきだという形で御質問いただいておりますので、御質問の趣旨というのは分かりました。ただ、取り上げていただいた、子どもは未来の大人ですというのは、やっと分かりましたと言っていただいたのですけど、施政方針の中でも、全ての市民の皆様に命と暮らしを守り育む支援につながる、子育て支援というのは全ての皆さんに関係することだよという理解を求めていきたいという文脈で使っておりますので、そこはやはり御理解いただきたいと思います。私自身も、言葉の使い方というのは自分自身でかなり吟味をしています。子ども自身に実際に直接話しかける言葉とか、子どもと対話をするときの言葉とか、そのときに子どもに対して、あなたは未来の大人よねみたいなことを言うことはありませんし、そこは施策だったり取組によって使っています。ただ、お話を聞いていて、未来の大人というのが、宮代議員にとってはややネガティブな感覚を持たれるのかなというのも思うのですけれども、子どもが成長して大人になっていくということを望んで、やはり今を大切にする、先に未来がある。もちろん過去もありますけれども、今の先に未来があるということは意識をしていきたいと私は思っていますので、決して未来を描くことが今を大切にしていない、今を見ていないというわけではないということはお伝えをしたいと思います。その上で、様々、子どもの最善の利益というものを今回条例で明文化をして、議会でも議決をいただくという形で子どもの権利条例を制定したいという思いで、今、検討会も進めていますので、そちらでもさらに子どもの権利や今を生きる子どもについての居場所や権利侵害などについてもしっかりと御議論いただきたいと思っております。
    そして、いろいろな説明会等の市民参加についてですが、御質問の趣旨を伺っていると、人数が少ないと市民の関心がない、それはよくないのではないか、もっと数を増やさなければ駄目ではないかという指摘にも聞こえるのですが、私自身は、市が行う説明会にしろ、私個人が政治活動で行う報告会にしろ、もちろんたくさんの人に来ていただきたい、会場いっぱいの皆さんに来ていただいて聞いていただきたいという思いはありますけれども、数が多いからいい、少ないから悪いというものではないという認識を持っています。数を多く集めるということで、では必ず来るようにというような動員をかけたものがいいかというと、そうではないです。市民の皆様の参加と協働というのは、自治基本条例の中でも市民の皆様の役割を明文化しておりますが、一人一人の生活だったり、関心だったり、様々ありますので、できるだけ多くの人に来ていただきたいですが、1人でも2人でも3人でも説明会に来ていただいた方を大切に説明するという姿勢は、これは決して否定されるものではないのではないかなというふうに私は考えております。その辺りが、御指摘の部分が、何か人数が少ないといけないというふうにもおっしゃられているのかなと思うと、やはりそこは人数の多い少ないというよりも、しっかりと説明の機会の場を与えるとか、説明会だけではなくてパブリックコメント等で意見を募集するとか、無作為抽出という形を取ってアンケートを行うとか、いろいろな手法を用いて行っていきたいと思いますし、また、最大の市民参加とも言えるような、選挙という形もございます。代議制民主主義、二元代表制で、議会の議員の皆さん、そして市長も、選挙という形でこちらは有権者の皆様に御参加いただく形になると思うのですけど、いろいろな形での参加があり、また、参加と協働というのを大切にしていきたいと思っているところでございます。
    そして、気候市民会議につきましては、いろいろな思い、脱炭素社会を目指す上でのいろいろな手法があると思っていますし、その中で、市民自身が学び、気づき、行動を起こすということをエコreゾートの場を用いても行っていますが、市として、気候市民会議という場を設けて、プランを作成したいというのは、これはまたその一つの手法であると考えております。先行している他の自治体の事例もあったり、気候市民会議は、実際フランスやイギリスなど欧州の各国で2019年ぐらいからそうした会議を開いたり、国や地域によって主催団体が異なり、無作為抽出だったり、募集をしたり、いろいろと手法はあるようですので、今後そうした事例をよく研究しながら、委員の選出方法や会議形式や期間、進め方等については検討していきたいと考えています。
    以上です。

    54◯6 番(宮代一利君)  最後の気候市民会議の件ですけれども、やり方については具体的にこれからだということで、分かりました。メンバーによって、議論される内容は大きく変わると思います。かなり専門的な内容も考えなければいけない。いろいろなことについて全部専門性は必要だと思うのですけど、環境の専門の人によっていろいろな考え方があるので、そういったいろいろな専門の人たちもそこの場に一緒にいて、例えばそれについていろいろな意見が出てきたときに、その意見に対して、この専門家の方はこういうふうに考えている、この専門家の方はこういうふうに考えているというぐらい、本当にきちんとした人を集めて議論しないと、いい結論には行き着けないのではないかなというふうに感じます。特に、環境分野というのは長いスパンで結果が出てくるので、気候変動とか気候危機とかと言っていますけど、これも我々はその結末を見届けることはできないわけで、答えを知らない状態の中で想定していろいろなことを会話しているので、そういう意味で、こういった会議をやるときにどういった人間が出てくるのか、どういった専門家の方がそこにいるのかということは非常に重要なことだと思うので、今後、人を選んでいくときに、やり方をよく考えていくことが重要なのではないかなというふうに考えています。御見解があればお願いします。
    それから、先ほどの市民意見交換会は人数が少ない云々の話ですけど、私も、当然のことですけど、もちろん多いほうがいいと思っています。でも、少ないからやる必要はないのではないかとかそういう意味で言っているのではなくて、逆に少なくても集まっていただいた方にきちんと説明するのは当然のことだけれども、でも、やはり多いほうがいいではないですか。広めていくことが大事なのです。まず、より多くの市民に関心を持っていただくというか、より多くの市民が関心を持つことができるようにきちんとした情報発信をすることが重要なことであって、今、実績として、成果として、こういったところに出てくる人の数は少ないですよねということを申し上げている。それに対して今後どうしたらいいのですか。そういう意味では、ある意味で呼び水として、学校改築のことについては、動画を撮っていただいて、それを流してもらったから視聴回数が普通の、(「時間です」の声あり)はい、以上です。

    55◯市 長(松下玲子君)  気候市民会議の持ち方で、コーディネーター役の専門意識を持った方が必要ではないかということを御意見として伺いながら、今後、具体的な委員の選出方法や会議形式や期間、進め方等について検討してまいりたいと思います。
    以上です。

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