令和2年第4回定例会 :本会議 一般質問(録画中継と議事録抜粋)

令和2年第4回定例会
12月3日
本会議 一般質問:宮代一利
*未来を見詰める市政について
・コミュニティのこれからについて
・脱炭素社会の実現について
・教育環境の変化と学校改築について
録画中継 | 武蔵野市議会 インターネット議会中継 (jfit.co.jp)

*議事録より宮代一利質疑の抜粋

◯6 番(宮代一利君)  ワクワクはたらく、宮代一利です。本日はよろしくお願いいたします。
激動の2020年最後の月になりました。世界中が未知のウイルスに苦しめられ、手探りで1年を過ごしてきましたが、その実態が少しずつ明らかになり、対処の方法も徐々に見えてきているというふうに感じています。昨日はイギリスでワクチンの承認が、そして、今朝の報道では、ほとんどの人、90%ぐらいの人が、一度かかった人はまず半年間は抗体が有効に働き続けるという研究の発表がなされていて、かなりいろいろなことが見えてきているなというふうな印象を持っています。ただ、まだまだ予断を許さない状況ではありますが、足元の問題を解決することに追い回されているだけではなく、未来を見詰め続ける必要もあるというふうに考えています。我々はずっと立ち止まっているわけにはいきません。
さて、間もなくやってくる2021年はどんな年になるでしょう。1971年2月に、武蔵野市基本構想・長期計画が発表されました。2021年で50周年という節目の時期を迎えます。今なお不安を払拭することができていませんが、今回はあえて未来を見詰めることにチャレンジしたいと考えます。
それでは、質問に入ります。1番、コミュニティのこれからについて。
武蔵野市基本構想・長期計画が50周年を迎えるに当たり、改めて第1期の長期計画をひもといてみました。これが50年前に書かれたものなのかと、大変驚きました。そこには未来の設計図が示されており、この50年間で見事に実現したことの数々が予見的に記されています。いえ、むしろ着実に設計図に従い、市民も行政もまちを育ててきたのだと言うべきなのでしょう。また、基本構想の五原則は、現在でも武蔵野市が最も大切にしている市民自治を筆頭に挙げ、進むべき道を示していたことが分かります。五原則の4番目には、科学性の原則とあります。引用いたします。「基本構想は、科学的な予測に基づいたものであると同時に、その実現の手段も科学的に選択されなければならない。そのために、市民に対しても十分な情報が提供されねばならないし、市民相互並びに市民と議会、行政機構との意見交換が組織的に行われることが必要である。」六長では、科学性という表現はなくなっていますが、現在では長期計画そのものが論理的に構成されており、様々なデータが示されているので、科学性の原則は当然の手法として定着しているのだと理解しております。最近、EBPM(エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング)ということの重要性が指摘されていますが、50年前から武蔵野市ではこれを原則に掲げていたと言えますが、いま一度その重要性について認識を新たにしたいと思います。
質問に入ります。質問1の1。コミュニティ構想により築き上げたものと課題について。この半世紀を総括し、武蔵野市がどのようにコミュニティを発展させてきたのか、どんな課題が残されているのか、また、将来に向け、新たに生まれてきた課題は何であると認識しているか、伺います。
質問1の2、コミュニティづくりにおける公助の役割について。この50年間に行政は何を行ってきたか。基本構想を作成し、方向性を示すこと、シビルミニマムを充実することなど、重要な役割を果たしてきたと理解していますが、具体的には何を行ってきたのか、伺います。一般に、武蔵野市はコミュニティづくりで成功したと評価をされていますが、時代の変化に伴って、引き続き形を変え、進化させる必要があると考えます。コミュニティづくりに完成形はなく、永遠のプロセスであるとも言われています。今後の行政の関わり方に関する考えについて伺います。
質問1の3、コミュニティづくりのこれからについて。各地域では、コミュニティセンターを中心としたコミュニティづくりが進められてきましたが、第六期長期計画でも指摘されているとおり、担い手の高齢化や固定化などの問題が継続していること、新たな担い手の確保や若い世代の参加促進などが課題となっています。これらの課題に対する対応策について伺います。
質問1の4、コミュニティセンターの老朽化への対応策について。コミュニティづくりの中核施設として活躍しているコミュニティセンターの老朽化が進んでいます。永遠のプロセスであるコミュニティづくりは今後も継続的に変化していくことが求められていると考えますので、この変化を背景に、老朽化していくコミュニティセンターへの対応策について伺います。
大きな2番です。脱炭素社会の実現について。
2020年11月8日に、むさしのエコreゾートが開館しました。クリーンセンターのプラットホームだったスペースを活用しており、壁や床は原形のままで残されていますので、歴史を感じることができます。子ども向けのスペースあり、ミニキッチンあり、Wi-Fi環境も整っており、明るいイメージの空間を提供しています。ハードが整いましたので、今後はソフトを充実させていくことが大切だと思います。早速、環境の学校を開校しています。コロナ禍の影響で、オンラインでの勉強会となっています。私も生徒として参加しています。名称が学校となっていますが、参加者が相互に自由に考えを伝える時間が多く設けられており、皆様のお話を聞く中から新しい気づきがあるという感じのものです。とても楽しみに参加をしております。
さて、思い返してみますと、2020年の新春座談会で、市長が、環境都市「武蔵野市」に向けてと題して、気候危機に関する話題を取り上げておられました。先進的な内容だったと感心します。そして、2020年、もう一つの大きなこととして、総理大臣が替わりました。私は、この総理大臣が替わることによってそれほど大きな変化はないのではないかなと思っていたのですが、菅首相が所信表明演説で、2050年までに日本全体として温室効果ガスの排出をゼロにすると宣言されたときには、本当に驚きました。何を考えているのかと驚いた。第六期長期計画では、「気候変動緩和策として温室効果ガス削減のため、今後も継続してエネルギー消費のスマート化を推進し、脱炭素社会の実現を目指していく必要がある」と記述していたのですが、多分この宣言に影響されたと想像されますが、「武蔵野市地球温暖化対策実行計画2021(区域施策編)・武蔵野市気候変動適応計画2021(骨子案)」においては、令和32年(2050年)度までに目指すまちの姿、みんなでつくる「二酸化炭素排出実質ゼロ」のまちとの目標が掲げられています。ここには、二酸化炭素排出量削減に向けた2050年までの道筋というグラフが示され、目標達成に向けては第5章に記載した取組内容を推進していきますと記載されています。この実現性について議論していきたいと思います。
質問2の1、武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトの実績と今後について。第五期武蔵野市環境基本計画(中間まとめ案)では、環境方針の2として、武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトによる地域エネルギー融通システムが稼働しており、これは武蔵野クリーンセンターのごみ発電を中核とし、周辺の公共施設と市立18小・中学校を連携させ、地域全体でエネルギーを融通するシステムで、公共施設におけるエネルギー地産地消のモデルケースとして期待されているとしています。このエネルギー融通システムがこれまでに実現した実績値、これをモデルケースとして広めていくための今後の施策について、考え方を伺います。特に、順次建て替えが予定されている学校施設との連携に関する考え方を伺います。
質問2の2、効率的なエネルギー活用推進助成制度の実績と今後について。本制度により助成をした各種システムの導入により削減できたエネルギー使用量の実績値と、今後の本制度を活用した削減目標値について伺います。
質問2の3、二酸化炭素排出実質ゼロの実現性について。質問2の1、質問2の2を統合して、実質ゼロということを実現していくことを目指すと思うのですが、国が示している2050年までに80%削減の目標に関連し、武蔵野市が取り組む具体的な施策について伺います。環境方針にあるゼロカーボンシティとはどんな概念なのか、伺います。これらの具体的なシステムをいかに組み合わせ、どのような計算により実行計画に示されたグラフが作成され、それをいかに実現する計画であるかについて伺います。
大きな3番です。教育環境の変化と学校改築について。
次に、学校改築について考えていきたいと思います。市内の小学校、中学校は、順次、築後60年を迎えるため改築することとなり、改築の全体計画として24年間を予定しています。また、今回改築してからは、その施設を60年間使い続ける、場合によってはさらに長期間使用することも考えられております。今年度から一中と五中の建て替え事業に着手していることは、皆様御存じのことと思います。武蔵野市学校施設整備基本計画には、学校改築に関する基本的な項目が詳細にまとめ上げられており、今後はこれに基づいて事業が進行していくことになります。これからの時代に求められる資質・能力を育む教育、学習や教育の変化に対応し、主体的・対話的な学びができる施設、安全でゆとりある施設、地域のつながりを育てる施設といったコンセプトが並びます。ここまでは、ニーズの把握、コンセプトのブラッシュアップの段階であり、過去の経験に基づき想定することができるものと考えます。今後はこれを具現化する段階に進みます。次のステップは基本設計、実施設計となり、当然のことですが、この先は技術的な要求も高まり、また、設計者の個性による影響も大きく反映されます。さらに、設計者からの提案を受け、採択を決定する方法、メンバーも重要な要素と考えます。この視点で、以下質問に入ります。
質問3の1。変化する教育環境への対応策について伺います。GIGAスクール構想について、まず、学習者用タブレットPCの配付を実現にこぎ着けることができ、今後に期待がかかるところです。一方で、配ってからの活用方法が重要なのは当たり前のことですが、次の時代を生きる生徒たちはICT機器への対応の必要性が社会からも強く要求されることになり、既に教育内容が変化してきています。また、先生も新しい形の授業に向けた準備をする必要が生じていると思います。教える内容、使う道具、これまでの教育との融合など、教育環境が変化していることを踏まえ、それに対応する対応策について伺います。
質問3の2、学校改築の進め方について伺います。1)直近で予定されている一中、五中の改築について、基本設計、実施設計の実施スケジュール並びに実施方法について伺います。先ほど述べたとおり、これからの設計段階が施設の仕上がりに及ぼす影響はとても大きいと考えます。タブレットPCの調達に際しては、十分な検討時間を確保できず、議会とのディスカッションもほとんどしないまま話を進める形となり、この検討のプロセスは誠に遺憾でした。本件に関しては付帯決議を付したことは記憶に新しいところです。事前見積りによる上限価格の設定プロセスが不透明であったこと、さらに、入札時には辞退が相次ぎ、応札者が1者となったことも、二度と起こしてはいけないことだと考えます。
失敗の前例に学び、次の質問です。2)入札に関するリスクマネジメントの実施状況と内容について伺います。入札不調、1者応札の可能性など、現在入手している情報、また、その際の対応方針について伺います。
質問3の3、学校改築における環境配慮型施設の具体化の方針について。質問2の1で取り上げた武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトにおいて、学校は地域との連携施設とされていますが、これをいかに実現するのか、設計のどの段階で組み入れていく予定かについて伺います。一中の改築基本計画素案には、環境との共生との項目が記載されていますが、省エネルギー化など環境配慮型施設の具体化を検討しますとの記載があるのみで、エネルギー地産地消プロジェクトに位置づけられていることが読み取れませんでしたので、伺います。
質問3の4、学校改築における複合化、地域との連携の可能性について。学校施設は防災機能を担うものであり、設計段階から適切な対応が必要と考えます。さらに、発災のときに限らず、日頃から複合化施設として活用することにより、有効な防災機能を果たすと考えますが、その可能性について伺います。
以上、壇上からの質問です。よろしくお願いいたします。

9◯市 長(松下玲子君)  宮代一利議員の一般質問に順にお答えをいたします。
まず、1番目についてですが、質問1の1、1の2、1の3につきまして、関連しているので、まとめてお答えをいたします。本市は、昭和46年(1971年)の第一期基本構想・長期計画に基づき策定したコミュニティ構想により、市民参加によるコミュニティセンター建設をはじめ、市民の自主参加、自主企画、自主運営のいわゆる自主三原則によるコミュニティづくりを行ってきました。こうした動きはコミュニティづくりに限らず、市の政策、施策に広く及んでおり、市民自治の市政が進められてきたと考えています。コミュニティづくりにおける行政の役割については、自治基本条例、コミュニティ条例でもお示しをしているとおり、コミュニティづくりの支援と考えます。条例などでのルール化や評価委員会の設置など、仕組みの整備、市民施設としてのコミュニティセンターの計画的な整備などを行っております。今後も、必要に応じて市民が自主的にコミュニティづくりを行っていくための環境整備は、行政が行っていくものと考えております。これからの課題につきましては、担い手の課題がございますが、コミュニティづくりに関しては、人材の課題が最も重要ではないかと考えております。先日答申をいただきました第四期コミュニティ評価委員会報告書においても、論点の一つとして取り上げられております。市としては、この報告書の内容を各コミュニティ協議会と情報共有をしつつ、それぞれの地域や活動に合った形を考えていきたいと思います。
質問1の4についてです。これまでも、定期的な点検を踏まえて、老朽化した設備等の改修、修繕は行ってきています。今後、第四期コミュニティ評価委員会の報告を参考にしながら、コミュニティセンターの類型別施設整備計画を策定する予定です。計画と併せて、施設の状況も適切に点検、把握して、運営側も利用者も安心して活用できるコミュニティセンターの整備を進めていきたいと考えます。なお、第四期コミュニティ評価委員会報告書の概要につきましては、12月8日の総務委員会にて行政報告をする予定です。
質問2の1についてです。武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトは、平成30年度から3年間をかけ、令和2年度に一連の整備が完了したところであり、これより実際の運用となることから、現時点でまだ実績を測定することができかねます。ただし、プロジェクトの中では、環境配慮の機器の更新などで、従前と比較し、年間約1,000トンのCO2削減を見込んでおります。同プロジェクトは、武蔵野クリーンセンターのごみ発電を中核とする大規模なエネルギー融通システムであることから、同様のケースを同程度の規模で市内に展開することは難しいと考えますが、太陽光発電や蓄電池、EMSを用いたエネルギー活用に関する取組は、規模は異なりますが、他の公共施設や家庭においても実践可能であることから、これらを対象にプロジェクトの基本的な考え方を適用していきながら、事例の一つとしてPR、啓発をしていく方針です。学校建て替えに伴う連携につきまして、現段階での環境配慮事項を各学校の特性や立地条件に応じて計画に盛り込む予定です。さらに、今後、学校施設を含む公共建築物全般に適用する公共施設の環境配慮基準(仮称)を策定し、その中でしっかり明文化、可視化を図り、推進していく予定です。なお、武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトにつきましては、12月10日の厚生委員会において行政報告を予定しております。
質問2の2についてです。平成14年度から開始した本制度は、制度名称や助成対象設備を変更しながら、令和元年度までに累計で3,000件を超える助成を行ってきました。本制度により削減できたエネルギー使用量の実績値については、助成対象設備の仕様、住宅状況、運用方法が様々であるため、測定、類推が困難であり、市では把握できかねます。同様の理由から、制度上の削減目標値についても設定はしておりません。なお、現在見直し中の地球温暖化対策計画の中では、地域全体で平成25年度比温室効果ガス35%の削減目標を掲げることを検討しております。
続きまして、質問2の3についてです。市の地球温暖化対策といたしましては、先ほどお答えいたしました武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトや、効率的なエネルギー活用推進助成制度といった直接的な温室効果ガス削減策はもちろんですが、むさしのエコreゾートの運営等による市民や事業者等の環境配慮行動を促す施策も行っております。ゼロカーボンシティの概念は、CO2などの温室効果ガスの、人為的な発生源による排出量と、森林等の吸収源による除去量との間の均衡を達成し、脱炭素のまちと捉えております。現在策定作業中の第五期武蔵野市環境基本計画(中間のまとめ)の中で使用しているゼロカーボンシティは、令和32年度(2050年度)までに温室効果ガス排出実質ゼロを達成しようとする、本市の理想像であります。なお、実質ゼロとは、温室効果ガスの排出削減に最大限取り組んだ結果、なお残る温室効果ガスを森林吸収や排出権取引等により相殺することを意味します。ゼロカーボンシティの実現に向けたロードマップについては、短期的(2030年度まで)には、市民、事業者、市職員の意識や知識の向上、地域における効率的なエネルギー活用といった、従来からの施策の推進を掲げています。長期的(2030年度から2050年度)には、新たな技術革新や次世代技術の促進、環境課題に対峙する社会システムの変革なども見込みながら、ゼロカーボンシティを目指していきます。国のエネルギー政策とも直結するところもありますので、国や都の動向を注視しながら、歩調を合わせ、施策展開を図りたいと考えております。なお、第五期環境基本計画と地球温暖化対策計画の中間のまとめにつきましては、12月10日の厚生委員会において行政報告を予定しております。
他の質問については教育長からお答えいたします。

10◯教育長(竹内道則君)  私からは、大きい御質問の3番目、教育環境の変化と学校改築についてお答えいたします。
まず初めに、変化する教育環境への対応策ですが、学習者用タブレット型パソコンを活用することで、紙に書いて黒板に貼り出したり、口頭で一人一人が発表したりしなくても、それぞれの子どもが自分の考えを送信して、一覧に表示して比較検討するというように効率化が図られ、一人一人の習熟の程度に応じた課題に取り組むことができるアプリケーションを使用した個別学習も可能となります。また、データの保存がクラウド上になることで、学校からでも家庭からでもデータにアクセスすることが可能になります。これにより、例えば、次の日の授業で用いる素材を集めるために、タブレット型パソコンを家に持ち帰ってカメラ機能で撮影するといったことも可能です。1人1台のタブレット型パソコンを持つことは、机の上にある文具として、子どもたちがいつでも使える学びのツールとなり得ます。各学校の先生方が、子どもたちが学びのツールとして適切かつ効果的に活用できる力を身につけられる授業を展開できるようにするため、今お答えしたように、機器の研修や活用に関する研修を行います。また、次年度以降も継続的に、指導主事を中心に研修を行ってまいります。また、実践や運用の課題の解決の知見を積み重ね、今後設置する検討委員会において協議し、よりよい使い方について追求してまいります。
次に、一中、五中の設計についての御質問です。基本設計及び実施設計については、令和3年度より着手する予定です。実施方法については、今年度中に公募型のプロポーザルを実施し、優先交渉権者を決定する予定でございます。
次に、入札に関するリスクマネジメントについての御質問です。基本設計及び実施設計については公募型のプロポーザルを実施する予定で、日程的に十分な時間を確保することで多くの業者に参加していただけると考えております。なお、近隣市においては、学校の改築に関して10者から応募があったと聞いております。工事については競争入札を想定していることから、予定価格に実勢価格を適切に反映させるなど、市場動向のリサーチ等をしっかり行ってまいります。
次に、学校改築における環境配慮についての御質問です。武蔵野市エネルギー地産地消プロジェクトにおいては、クリーンセンターの夜間の余剰電力を、東京電力の送電線を介して学校の夜間電力として利用する自己託送を既に行っております。また、四中にクリーンセンターから災害用に電力供給できる自営線と、夜間電力や太陽光発電を蓄えることのできる蓄電池を整備しました。今後の学校改築においては、設計段階の中で省エネルギー化など環境配慮型施設の具体化を検討いたします。
そして、学校施設の防災機能についての御質問です。設計段階において、例えば、屋内運動場は避難所施設になることから、防災倉庫及び備蓄倉庫を屋内運動場と一体に整備し、家庭科室は炊き出しの際に使用できるよう屋内運動場と連携しやすい場所に設置するなど、適切に対応してまいりたいと考えています。また、自立運転機能つき太陽光発電の設置は必須とし、それに併せて蓄電池など非常用電源の設置を検討してまいります。日常利用において学校の全体を開放していくことは困難ですが、災害時に思いやりルームとして使用する開放用の多目的室は、市民の皆様にも日頃から使っていただくことを想定して整備するなど、取り組んでまいります。
以上でございます。

11◯6 番(宮代一利君)  ありがとうございます。順次再質問させていただきます。
まず、1番のコミュニティ構想について、やはり担い手、参加者というような人材が非常に重要だというふうなお話がございました。そのとおりだと思います。その中で、今、行政としてその部分についてどんなことをしていきますかという話はちょっとまだいただけていないのかなと思うのですけれども、実態として、やはり長くコミュニティに携わっている年齢が高めの方と若い世代の間には、かなり意識の差はあるなというのが実感としてはあります。それに対して、先ほど初期の構想を読みましたという話を申し上げましたけれども、やはり第一期の基本計画を見ると、何か熱いものを感じるのです。やるぞというようなものが感じられて、やはり牽引していただいたなというものがあるなというふうに思っていて、期が進むごとに、今、第六期になっていますけど、第六期の構想を見ると、どちらかというと、熱い、引っ張るというよりは、かなり形が出来上がってきたものを少しずつ磨きながら徐々に進めているというふうな感じがあって、私としては、もう少しアピールをして引っ張っていってほしいと、そういう意味で。ただ、介入はしてはいけないのだけれども、自主自立というのを見ながら牽引するという役目をやっていただけないかなというところについて、特に若手にどんなふうにPRできるのかな、我々のコミュニティで一緒に生活しているのだよ、生きているのだよということを伝えていけるのかということについて、何かお考え、アイデアがないかなという意味の質問でした。ぜひ今の考えを伺えればと思います。
それから、2つ目に、行政の役割として環境整備、私はシビルミニマムという言い方をしましたけれども、これをきちんと整えて充実していくということが重要ですということなのですが、シビルミニマムも時代とともに内容が変わってきているのではないかなというふうに思います。いわゆるインフラが、道路であったりとか下水道であったりとか、あるいはコミュニティセンターのような発想で新しいものをつくってきましたというのはあるのですけど、これから先、今でもう出来上がっているというふうには思わないほうがいいのではないかなと私は思っていて、例えば、気になっているのは、今まだコミセンにWi-Fiを引いていないのです。コミセンでは、引いているところもあるけど、全体には行き渡っていないと。一方、むさしのエコreゾートは今回しっかりWi-Fi環境を整えていただいたということからいうと、今の段階でのシビルミニマムにはWi-Fiをセットするということも入っているのではないかなというふうに私は思うので、例えば、コミセンでそういったWi-Fiを使っていろいろなことができるような、そういうふうなつくり替え、要するに新しくしていく、そういう取組というものについて、さらに先にお考えがないかどうか、ちょっとお話を伺いたいというふうに思います。
それから、2番の脱炭素社会の話なのですが、もうこれはひたすらお願いで、まず、2050年にゼロとなっていて、ちょっときちんと印刷してきていないのですけど、こんなグラフが示されているのです。これは見事に2050年にゼロになっているのです。ゼロはゼロです。また、前に保育園問題のときに実質ゼロの実質とは何ですかという話をしたのですけど、今回もまた、実質となっています。どういうふうに実質というのをやっていくのかなというのを感じていて、このグラフを見ると、2010年から2020年に直線、2020年から2030年に直線、2030年から2050年にゼロに向かって直線。これだと、どうやって実現するのですかと、実感が湧かないです。我々は何ができるのですか。努力して何をすればゼロになるのか。ゼロというのはすごく大切な数字なので、どういうふうにゼロを実現するかということについて示していただきたいなというふうに思っています。
それで、今回の質問の2の1、2の2、2の3というのは、これは積み上がっていて、今までせっかく地産地消プロジェクトをやって、手をつけました。では、まずどんな実績が上がっているのですかということをしっかり捉えて、その実績をモデルケースにしますと言っているのですから、そのモデルケースにどういうふうに投影して、どういう数字で、具体的に何をすることによってゼロに向かっていくのかという設計図が必要だと思っていて、残念ながら、今、私が目にすることができる基本計画を見ると、まだそこまでは読み取れないというふうな印象を持っているので、そのことについて伺ったつもりです。なので、ちょっと難しいのかもしれません。さっき市長がお答えいただいたゼロカーボンシティについて、森林吸収とか排出権取引とかというお話が出ていますので、今後やはりどうしたって出すものは出てしまうので、ベースにある二酸化炭素の排出は必ずあって、それをどういうふうに打ち消していくのか。先ほど国の施策というのもあって、確かにこれも非常に難しい話ですけど、原子力発電との関係というのも非常に大きくなっているので、確かに1市ではできないことですけど、市としてゼロというものに向かってどんなふうに進めていくのかということについて、再度お聞きしたいと思います。
それから、3つ目の教育についてです。3の1の質問の教育環境の変化の中に、なかなか語られないのですが、先ほどの御説明も全部、ツールとしての使い方に関する件についてはよくいろいろなところで語られるのですけど、もう一つ、ここにも書いたのですけど、今後は社会から、子どもたちはICTを当然使って生きていくという要求が高まっていく、要するに教育の対象になっているのではないかというふうに私は考えています。ICTを使うということが教育の対象の一部になっていくのではないか、教育環境はそういう変化をしているのではないかと考えていますが、それをどんなふうな教育の形として実現していくお考えなのかということも伺いたい。先ほど御答弁いただいたツールに関する件についてはかなり分かってきたと思います。今までの議論の中で、このツールはよりよく使われるに違いないというふうに私は信じていますけれども、言ってしまえば研究対象のような感じになると思うのですけど、教育対象としてどんなふうにICT機器を位置づけるかということについても伺いたいです。
それから、学校改築について、近隣市で10者応札があったという話を伺って、取りあえず、ほっとしました。よもや同じことが繰り返されてはいけないと。入札不調になればスケジュールはずれていくわけだし、やはりプロポーザルで1者しかいませんでしたという、あの悪夢をもう一度繰り返さないでほしいという思いが強いので、近隣市で10者だったからうちも大丈夫というふうに思わないで、ぜひリスクマネジメントをきちんとしていただきたいというふうな思いがございます。これはもう今日はお話を伺ったのでいいということにします。
最後の複合化のところで、確かに学校全部を開放するというのは全然現実的でないというのは分かっているつもりなのですが、多目的室を開放していくというような話があって、ちょっと一中の計画しか見ていないのですけど、かなり具体的に書かれたものを見た感じでは、あまり積極的に開放するような感じには記載がなかったように思っていて、何か開放することに対してのデメリットがあるのですか。リスクがあるのですか。その辺、他市の例を見ると、例えば、複合施設として、あるエリアを区切ってゾーニングはしているのですけれども、本当に同じ建物の中に市民のスペースがあって、こっち側が学校になっていて、それぞれの図書館と図書館は隣のスペースになっていて、直接入れないのだけど、通過することができるようにカウンターを置いて、学校の子どもたちも市の図書館機能にアクセスできるような例があったのですけれども、そこまで積極的に市民との交流を持てるような。武蔵野市は開かれた学校づくりというのを標榜しているわけですから、そういったことを実現できるような改築にしないと。今回、未来を見ようということで、学校改築、造ったら60年。検討の中では、80年まで使うためにはどうしたらいいかというようなことまで記載がありますので、もう少し長い目でこういったところをどういうふうに考えていくのか、再度お尋ねしたいと思います。

12◯市 長(松下玲子君)  私からは、再質問2点についてお答えをしていきたいと思います。
まず、コミュニティ構想に関連した部分ですけれども、宮代議員が御指摘いただいているように、来年はコミュニティ構想から50年という節目を迎える年になります。その節目に当たって、高齢の世代と若い世代に認識の差があるのかなという御指摘もございますし、私どもも、来年の節目に何ができるか、何をしようか、コミュニティ構想50年の節目にこれまでを振り返って、これからを見据えて何ができるのかというのを今考えているところでございます。市としてできること、そして、この間コミュニティ構想に関わってきた方々にお話を具体的に聞くというのも大切だと思いますし、そのメッセージをかつての50年前を知らなかった今を生きる世代の人にもお伝えしていくというのが重要だと思っておりますので、来年の50年の節目に当たって取り組んでいきたいという思いを持っています。その上で、各施設のWi-Fiについてなのですが、あと、自主自立を牽引するということで、まさにWi-Fi設備の導入というのは施設ごとに用途に合わせて判断をするのが重要であるという認識を持っております。しかし、その指針となる、市としての基本的な考え方というのは、Wi-Fiについて総務省もガイドライン等を作成しておりますので、参考にしながら、今後整理をしていかなければならないというふうに認識をしております。
続いて、二酸化炭素の排出、温室効果ガス排出実質ゼロの実現をどう進めていくかとのことですが、先ほどゼロカーボンシティの実現に向けたロードマップについて、短期的、長期的な視点でお示しをしました。また、中間のまとめは今度厚生委員会でも行政報告を予定しておりますので、今この時点でお伝えできることは先ほどお伝えしたロードマップのとおりですが、やはり30年後です。不確定要素も非常に多くある中で、30年後を具体的にどう進めていくかというのを示していくのは難しいという思いを持っていますので、まず一人一人ができること、短期的にできることなどを整理しながら、市として今後示していきたいというふうに思っています。
以上です。

13◯教育長(竹内道則君)  2点、再質問いただきました。
まず、これからの社会をICT環境の中で生きていく子どもたちに、学習者用コンピューターを使ってどのように教育をしていくかという観点での御質問だったと思いますけれども、プラス面もマイナス面もどちらもあると思うのです。その中で、子どもたちは学校から卒業していったとしてもそういった社会の中で生きていくわけですから、そのためには、自ら律するという意味で言うと、自律的に使っていく、そのためにどのように学校教育において関わっていくことができるかということが大事だと思っています。発達段階を踏まえて行う必要があるので、例えば、小学校1年生と中学校3年生ではその向き合い方が違いますし、教育の関わり方も違うと思っております。そういったことを踏まえて、昨日も申し上げたように、例えば、従来の情報モラル教育であるとか情報セキュリティに関する教育だけでなくて、家庭においても使うことがあります。それから、子どもたちは現実にゲームとかスマホに使っている時間もありますから、そういったこととの調和をどのようにしていくのか。先ほど申し上げたプラス面とマイナス面もありますから、そこへ向けて、学校が、汎用的なツールですから、そのことだけで教育をするというよりもむしろ教科の指導の中でそれを適切に効果的に使う形で、子どもたちに、ICTの中で生きていくための情報教育、昨日はシチズンシップ教育というふうに申し上げましたけれども、具体的な日常の教育を通してそのような力を育んでいけるように向き合っていきたいと思っております。
それから、学校の複合化についてですが、基本的に学校は、社会に開かれた教育課程、新しい学習指導要領にそういうテーマもありますし、武蔵野市においても開かれた学校づくり協議会も行って、地域に開くということは目指しているわけですけれども、一方で、学校においては、効果的な教育を目指していくべきですので、例えば、一定程度安全であるとか学校を開放するという意味で言うと、教員の、特に副校長の多忙化という現実のところと向き合いながら学校を開いていくということも、あるいは複合化というテーマについても向き合っていく必要があると思っています。そういった意味で、物理的に開く部分と学校教育として開いていく部分と、どちらもあり得るものかなと思っていますので、そういった観点から、複合化、あるいは多機能化、あるいは、ゾーニングという考え方を持っていますが、どの部分を開放していくのか、どの部分については教育の専用施設にしていくのかというのを設計段階においてより現実的な折り合いをつけていきたいと思っております。

14◯6 番(宮代一利君)  ありがとうございます。市長が50周年で何かやりたいとおっしゃっていただいて、私はすごくうれしいです。ぜひやってほしいなと。昨日、真実はそう簡単には手に入らないよと。レジグナチオンという諦念の気持ち、その境地には人間はなかなか至れなくて、コミュニティについても、これで出来上がり、こっちに向かっていけば絶対大丈夫というものが、真実はないのではないかなと思っている。でも、逆に言うと、それは我々市民がつくっていくものだと思うので、50周年のイベントを、ただのイベントではなくて、どうやって参加して。イベントなのですけど、何か本を作るとかというだけにとどまらず、何かやってほしいなというふうに思います。第一期の構想をつくった方たちのお話もぜひ私は伺ってみたいなというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
それから、ゼロカーボンシティの話ですけど、確かに市長おっしゃるとおり、30年後は不確定要素が大きい。しかし、さっきのグラフは科学の世界ですから、仮説があって、データを取って検証していく。前に話をしましたけど、PDCAA、プラン、ドゥー、チェック、アナリシス、アクションなのです。きちんと分析をしていく、そのためにデータを取るというPDCAAというのは非常に重要だと思っていて、今の段階だと、プラン、仮説が見えない。なので、ぜひ急ぎ、頑張って。直線でいいです、今のところ、真っすぐ結ぶしかないので、直線はしようがないです。だけど、どうしてこういうふうに結びましたか。このグラフだと、2030年から2050年は真っすぐ引いてあって、2050年のここのゼロが決まっているからそれを直線で結びましたというふうにしか見えなくて、これでは仮説がないので、こういうものとこういうものとこういうものを実現すると、その仮説の下、こういうふうにゼロに至れるのですという、もう少しシナリオを見せていただければなというふうに思います。行政報告があるということなので、その辺も行政報告を伺いながら今後のことについて考えていきたいと思います。
それから、最後に学校施設の話ですけれども、例えば、さっきゲームという話が出てきましたけど、子どもたちはゲームをやっています。昨日、そのゲームの依存症の話も出ていましたけど、子どもたちにとって、もう自分たちの問題になっています。だから、それを教育の中で、まさにアクティブラーニングのような形で、お互いの中でゲームがどんなふうに自分に影響しているのかというようなことを学び、それをお互いに意見交換をするとかというようなやり方とか、ICTというものが検討の対象であると。もちろん、道具として使うものである一方、自分たちにこんな影響があるのですということを学ぶ対象でもあるということを伝えていっていただけないかなというふうに思うので、もしコメントがあればお願いしたいと思います。
それから、いみじくも副校長先生の多忙化というキーワードが出てきました。本当にそうだと思います。この改築を機に、何とか施設側でカバーして、副校長先生が多忙にならないようにしてほしいし、副校長先生が超多忙になっているのはソフトの面でもこれからも何か工夫を続けてほしいと思います。本当に副校長先生は大変そうで、副校長先生の判断が学校の運営にすごく影響して、子どもたちにもすごく影響が大きいということを私たちは常に感じているので、これからもぜひお願いしたいと思います。
幾つか残した中でコメントをいただけたらと思います。
以上です。

15◯教育長(竹内道則君)  先ほどデジタルシチズンシップ教育と言いましたけれども、子どもたちのそういった情報社会に向き合う力を育むという要素については、いろいろな教科の中でも取り入れていくことができると思いますので、考慮して進めていきたいと思います。
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